リアルタイム型授業
■リアルタイム型授業とは
Web会議システム等を利用し、教員が無人の教室や研究室、自宅等からオンラインで授業の配信を行い、学生は同じ時間にそのWeb会議に参加し視聴したりディスカッションなどの活動に参加し学習を行います。学生も教員も実環境で接触することはありませんので感染のリスクをコントロール可能です。また、従来の対面授業に近い教授方法を用いることも可能です。時間割などで決まった時間に授業が行われることで、学生に継続的に学習を行うきっかけを与えることも可能です。
■リアルタイム型授業の要件
リアルタイム型オンライン授業では、学生は、授業を行う教室以外の場所でWeb会議システム等を用いて授業に参加することになります。対面授業に近い環境にするために、次のような配慮が求められます。
教員と学生が互いにやりとりをおこなえるようにする
文部科学省の告示では、本来、映像や音声を使い双方向でのやりとりを行えることが要件となっていますが、実際には、通信量の削減やプライバシー保護、教員の音声の品質確保などのために、学生は、カメラやマイクをオフにして授業に参加することが求められています。そのため、チャット機能、ホワイトボード機能、ドキュメントの共同編集機能など、他のメディアを活用するなどして、リアルタイムでのコミュニケーションを図る工夫を検討してください。質問の機会を確保する
学生が、教員の授業映像を視聴するだけの一方通行とならないよう、質問を行える機会を作って下さい。質疑応答に関して、リアルタイムにこだわらず、LMSの電子掲示板等を利用することも可能です。しかしその場合も、学習効果を高めるために、適宜、教員やTAが議論を促すような問いかけなどを掲示板に書き込むことも有効です。必要に応じたTAの支援
ティーチング・アシスタントにも授業に参加してもらうことで、Web会議システムに加えてチャットや掲示板など複数のメディアを使った教員と学生の双方向のやりとりを円滑に行う支援が期待できます。
(参考)大学における多様なメディアを高度に利用した授業について
■授業に必要なものと利用可能なツール
Web会議システム
Google Meet、Microsoft Teams等が利用可能です。
Google Meet は 2020年9月30日以降、参加者の上限が100名となります。また、2021年内には録画機能に制限(保存期間30日、録画ファイルのダウンロード不可)が加わります。
Microsoft Teams は最大300名・24時間までの利用が可能です。また、録画が可能です。
Google Meetへの参加者名簿は 東北大学 Meet 参加者確認アプリ から確認できます。
講義スライド等の資料
講義スライド等の資料は、LMS(ISTU, Google Classroom)を利用して公開可能です。
小テストや確認クイズなど、学習成果を確認するもの
LMS(ISTU, Google Classroom)を使用して、小テストや課題を出題可能です。
電子掲示板など、意見交換、議論、質疑応答が可能なもの
ISTUでは、電子掲示板で対応可能です。
Google Classroomでは、資料や課題毎にコメント欄が設置されていますので、こちらで対応可能です。
■リアルタイム型授業構成の一例
毎回の授業
教員はウェブ会議システムを使って、「会議」を設定する
教員は講義資料および「会議」への入り口(URL) をLMSで受講学生に通知する
学生は指定の時間に「会議」に参加する。質問等があればチャット機能を用いる。学生も発言可。
教員は、適宜、PC画面等に切り替えながら説明
学生は課題等をLMSで提出
それを受けて教員が必要なフィードバック(欠席者および復習用に、録画したライブ映像を公開)
期末課題(必要に応じて中間課題など)
レポート、テストなど
■リアルタイム型授業のポイント
・そもそも遠隔教育では受講環境が異なる
教室でやっていた授業をそのままビデオ会議システムで実施した場合、学生からの評価が低くなったり「質が低い」と言われたりすることがあります。対面授業もリアルタイム配信授業も同じく同期型授業ですが、学生の学習環境が異なることが原因です。
対面授業には非言語コミュニケーション、すなわち、身振り手振りやアイコンタクトなどが多分に含まれています。ところが、現在のPCを介したビデオ会議システムでは、この非言語コミュニケーションの部分がうまく成立しづらい状況にあります。また、リアルタイム配信であっても、画面はスライドのみが表示され、教員は音声のみとなっている場合も同様に、非言語コミュニケーション要素が欠落するため対面授業に劣ることとなります。
Web会議システムではチャットで「質問」をすることができ、また「挙手」機能を有するものもあります。しかし、場の空気は読み取りにくいものです。また、対面授業では簡単にできる「隣席の学友にちょっと聞いてみる」ことも困難です。
些細なことですが、これらがリアル(対面授業)に慣れてきた人にとって、大きなギャップやストレスとなるなどして、精神的な孤独感やさまざまなトラブルが発生するものと思われます。
■よりよいリアルタイム型授業のために
教員以外は、音声と画像を必ずミュートしておくよう指示する。
黒板等への板書やスクリーンへのスライド投影をビデオカメラで撮影して配信する場合、画面から見えづらくなることがあるため、学生に提供可能な講義ノートやスライドのコピーがある場合は、LMSに掲載して頂くことをご検討下さい。
スライドを資料として配布する場合、スライドの背景色を白地にしておくと、学生が自宅のプリンタで資料を印刷する際のインク代を抑えることができ、また印刷した資料への書き込みもしやすくなります。
通信品質の変動等で聞き逃してしまった際や復習の際に参考となるよう、録画したビデオやポイントとなる重要な個所の説明を、資料として掲載して頂くことをご検討下さい。
履修学生の負荷と授業の単位数を勘案し、課題量に配慮願います。