ChatGPT等の生成系AI利用に関する留意事項

(学生向け)

文責:デジタル教育アドバイザリ・グループ(座長:青木孝文理事・副学長)
(初版:2023年3月31日、最終更新日:2023年4月24日)

このページでは、学生向けに、ChatGPT等の生成系AI利用に関する留意事項や関連情報を提供いたします。教員向けの留意事項はこちらです。

はじめに

近年、人工知能(AI)技術の発展はすさまじく、データの分析や機械の制御などに使用される形式のAIだけでなく、デジタルの画像や動画、音声や音楽、文章やプログラムコードなどのテキストを生成するAI(生成系AI、対話型AI)が登場し、誰でも手軽に利用できる環境ができつつあります。画像を生成できるAIの「Stable Diffusion」や、テキストを生成できる「ChatGPT」などがその代表です。

ChatGPTをはじめとする生成系AIの利用については、授業ごとに、使用の可否も含めて担当教員に確認の上で行う必要がありますが、このページでは、学生が生成系AIを利用する際の注意点について説明します。

教育・学習における生成系AIに関する留意事項

授業によっては、生成系AIの使用を禁止したり限定したりする場合があります。生成系AIの使用については、担当教員の指示に従ってください。

生成系AIの出力する情報について

下に示すように、生成系AIが出力する情報には、不正確なものや矛盾が含まれていることがあります。

Microsoft Bingによる出力の例(画像をクリックすると拡大)

日本は自動運転車対応指数(AVRI)で2位と答えておきながら、その直後の回答では10位と答えており、明らかな矛盾が見られます(韓国の順位についての記述も前後で矛盾している)。そもそも日本の2020年のランキングは実際には11位であり、2位でも10位でもありません。

ChatGPT(無料版)による出力の例

同じような質問をChatGPTにも投げかけてみると、そもそも存在しない2021年版のAVRIを示してきました。実際には、日本の順位は2019年には10位、2020年には11位で、やはり不正確な情報を出力しています。


一見もっともらしい書き方をされていても、それを鵜呑みにするのではなく、示された出典をあたる、自分であらためて調べるなどして検証することが必要でしょう。 


これらの画像には、指摘した点以外にも誤りが含まれている可能性はあります。

関連情報

以下は、ChatGPT等の生成系AIの利用に関連した情報です。

生成系AIを使用すると、入力が学習データとして使用されるおそれがあります。ChatGPT等を提供しているOpenAIは、ウェブ版のChatGPTとDALL-E からの入力を学習に使用しないよう、「オプトアウト(opt-out)」する申請を受け付けています。ご自身の利用方法に応じて、必要性をご検討ください。

ユーザが入力したデータの利用に対するOpenAIの説明 https://help.openai.com/en/articles/7039943-data-usage-for-consumer-services-faq
上記説明に含まれるオプトアウト申請フォーム https://docs.google.com/forms/d/1t2y-arKhcjlKc1I5ohl9Gb16t6Sq-iaybVFEbLFFjaI/viewform?ts=63cec7c0&edit_requested=true

上述のオプトアウト申請を行っていない場合、ウェブ版のChatGPT上で開始した「New Chat」の内容は、会話の履歴に保存され、モデルのトレーニングに利用されます。この点に関して4月25日から、各ユーザの「Settings」で、「Chat History & Training」の設定をオフにすることで、会話を履歴に保存せず、モデルのトレーニングにも利用させないことが可能になりました。会話の性質に応じて活用してください。