学習管理システム(LMS: Learning Management System)等を利用し、教員が用意した教材をもとに学生が個別に学習します。学生は、学習管理システム等にログインし、オンデマンドに受講(自分の好きな時にインターネットにアクセスして講義映像や講義資料等を用いて受講)します。
※従前、講義資料型としていたものもオンデマンド型に含まれます。
教室での授業やリアルタイム型授業(同期型授業)とは異なり、オンデマンド型授業は非同期型授業となりますので、次の要件が必要になります。
当該授業に関する学生の意見交換の機会の確保が必要
これは基本的に「機会の確保」ですから、電子掲示板を利用することで要件を満たせます。しかし、学習効果を高めるためにも、適宜、教員やTAが議論を促すような問いかけなどを掲示板に書き込むことも有効です。
当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやかにインターネットその他の適切な方法を利用することにより、設問解答、添削指導、質疑応答等による十分な指導を併せ行うことが必要
質疑応答も電子掲示板で対応可能です。また、課題として中間課題や期末課題だけではなく、各回に学習成果を確認するために小テストや確認クイズ等を設けておきます。その際、1点配点でもよいので成績に反映されるようにしておくと学生のモチベーション維持が期待できます。
講義ビデオ、講義資料などの教材
川内北キャンパスの全学教育では、講義室で講義ビデオの自動収録が可能です。
講義ビデオはGoogle Drive、YouTubeを利用して公開可能です。
講義資料はLMS(Canvas LMS, Google Classroom)を利用して公開可能です。
講義ビデオの作成
小テストや確認クイズなど、学習成果を確認するもの
LMS(Canvas LMS, Google Classroom)を使用して、小テストや課題を出題可能です。
電子掲示板など、意見交換、議論、質疑応答が可能なもの
Canvas LMSでは、電子掲示板で対応可能です。
Google Classroomでは、資料や課題毎にコメント欄が設置されていますので、こちらで対応可能です。
教員およびTAによる指導
毎回の授業
教員が講義の様子をビデオ収録する(川内北キャンパスの全学教育では講義室で自動収録が可能)
動画を学生に公開する(Google Drive、YouTubeを使用)
学生は動画を視聴し、指示に沿って学習
学生は質問や課題等をLMS(Canvas LMS, Google Classroom)で提出。学生はLMSの掲示板上で議論。
それを受けて教員が必要なフィードバック
期末課題(必要に応じて中間課題など)
レポート、テストなど
講義ビデオの作成方法PowerPointを使い、スライドショーの記録→エクスポート→ビデオの作成 (macOSのKeynoteにも同様の機能があります)
黒板等を前に講義する様子をビデオ収録(スマホ、デジカメ等)
ひとりだけのウェブ会議を実施し、その様子を録画する(Meet等)
パソコンの画面をキャプチャして動画化(専用ソフトが必要)
講義ビデオ作成時のポイントと講義ビデオを作成する(ひとりで簡易に作る)もご覧ください。
目標は学生をゴールさせること、対面授業を再現することではない
オンデマンド授業、特にLMSを使ったオンデマンド授業では従来の教室授業をLMS上に再現はできますが、闇雲に教室授業の再現を目指さないことも大切なことです。
多くの場合、事前に録画したビデオ講義や講義スライド、講義ノート等をLMSに載せることでオンデマンド授業は作られています。一方で、LMS は従来の教室授業の設計を超えるための柔軟性を持っています。多数の学生の自動採点や、レポートの相互採点など、対面授業では時間と手間が掛かりすぎて実現できないこともLMSを利用することで実現できます。また、オンデマンドであることのメリットを生かし、ディスカッションボードを使えば熟考した議論を行うことも可能です。
ここで重要なのは、オンデマンド授業において教室授業(対面授業)を再現することが目標にならないことです。授業の目標は、あくまでもシラバスにある「学習目標」です。学習目標を達成するために、どのような授業設計とすべきかを考える必要があります。つまり、これまで対面授業で達成していた学習目標をオンデマンド授業で達成するためには、どのような授業設計が必要なのかを改めて考える必要があるということです。これは登山に似ています(教員の場合は登山ガイドが相当します)。目標(ゴール)である山頂を目指し、いつも利用している登山ルートを使っていた人が、その使い慣れたルートが封鎖されたため、別のルートを使って登頂を目指します。この際、登山ルートが変更になりますから、装備を含めた登山計画はこれまでとは違うものになります。教室授業とLMSよるオンデマンド授業も同様のことが言えます。
教員の存在を感じられるか
例えば、MOOC(大規模公開オンライン講座:Massive Open Online Course) のビデオ教材による学習はリアルタイムではありませんが、できるだけ現実感を出すように工夫して編集されます。従来の対面授業では、この現実感は当たり前すぎて意識されませんが、遠隔教育、特にオンデマンド授業においては、「教員がそこにいる」と感じられることが非常に重要な要素になります。これは、画面に教員の映像が出ていることだけを意味するのではなく、電子掲示板での議論のファシリテーションや質疑応答など、学生とのインタラクションを含めてのことです。
課題のみのオンデマンド授業は注意が必要
指定図書や資料が示され、課題のみが与えられる形式のオンデマンド授業は、学生の満足度が低くなることが予想されます。最近、ニュースなどでも「大学のオンライン授業の質が低い」との学生の意見が出てきていますが、そのような学生が受けている授業は課題やレポートのみが与えられる、自ら学ぶ力が要求されるタイプのものが多いように見受けられます。「まるで通信教育だ」という批判もここに起因していると思われます。
もちろん、指定図書や指定論文を読み、レポートを提出することで構成されるオンデマンド授業も多く存在します。ただし、これは高年次生や大学院生を対象にした場合であれば有効に機能することが期待できますが、自ら学ぶ力がまだ身についていない1年生などは、放置されているという感覚に陥る可能性があります。
そのため、授業は学生をゴール(学習目標の達成)へ導くための活動であると考え、十分な質疑応答機会の確保や、初年次教育の要素を含めるなど、対象学生に合わせた授業を設計する必要があります。
教室授業の録画配信(再利用)について
教室での授業を収録し、その日の夜または翌日に配信するという形式もよく利用されます。この場合、教室での授業に出席した学生の復習用として活用することが有効です。また、その回を欠席した学生が自宅等でキャッチアップ学習するためにも有効活用できます。コロナ禍のような緊急事態の際には、昨年収録したものを活用することも考えられます。
しかし、平時においては、昨年収録した教室授業を次年度の異なる学生にオンデマンド授業として使う場合は状況が異なってきます。教室での授業は昨年の学生に向けて行われたものだからです。今、目の前にいる学生を相手に実施した講義の録画と、画面の向こう側にいる学生を想定して録画したビデオ講義では、教員の話し方や講義スタイルも変わってきます。前者は、実際に授業を受けた学生の復習用には有効ですが、その授業を受けていない学生(たとえば次年度の学生)は、おのずと傍観者の立場になってしまいます。それであれば、対象(たとえば1年生全般)を想定したビデオ教材をあらかじめ作成しておく方がよいでしょう。MOOCや放送大学の授業がこれに相当します。
各授業方法に共通の事項
履修学生の負荷と授業の単位数を勘案し、講義ビデオの長さや課題量に配慮願います。
事前収録した講義ビデオ(「授業収録配信システム」含む)による授業方法の場合
授業日に講義時間割に沿って受講したい学生も少なからずいるため、事前収録してLMSへ掲載しておくのが好ましいです。
講義室収録の際は、マイク電源がONになっているか、教室カメラが正しく前方を向いているか、などをご確認下さい。
黒板等への板書やスクリーンへのスライド投影をカメラで撮影して配信する場合、画面から見えづらくなることがあるため、学生に提供可能な講義ノートやスライドのコピーがある場合は、LMSに掲載して頂くことをご検討下さい。その際は、3.の講義資料の提供方法も参照ください。
講義資料等の教材による授業方法の場合
講義資料等の教材により進める授業においても、対面による授業の第1回目において受講学生へ説明している事項(当該授業の学修の仕方等)も説明資料としてLMSに掲載して下さいますよう、お願いいたします。
講義ビデオを使用せず講義資料のみで実施する場合、配布する資料は、対面による授業で使用している資料(スライド資料・配付資料)に、説明や解説を加えた「講義録」に近い資料であることが必要です。
スライドを資料として配布する場合、スライドの背景色を白地にしておくと、学生が自宅のプリンタで資料を印刷する際のインク代を抑えることができ、また印刷した資料への書き込みもしやすくなります。
その他のe-learning教材を活用する授業方法の場合
LMSシステムへは、e-learningシステムへのリンクを掲載するだけではなく、シラバスに記載している授業内容・成績評価方法等の説明に加え、e-learningシステムを活用して授業とする際の学習方法等の解説や、質問対応・意見交換のための手法等も十分な説明が必要です。